第4回WBC予選、2大会連続出場を目指すブラジルが残り1枠を狙う!

2016年9月21日 試合レポート

 来年3月に開催される第4回WBCの予選第4組・アメリカラウンド(ブルックリン)が9月22日より開幕する。
 すでに予選免除の12チーム(日本、韓国、中国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコ、アメリカ、カナダ、イタリア、オランダ)に予選1組から3組をトップで通過した3チーム(オーストラリア、メキシコ、コロンビア)を加えた計15チームが本戦出場を決定済み。残り1枠を、アメリカラウンドに参戦するブラジル、イギリス、イスラエル、パキスタンの4チームが争うことになる。

 “残り1枚”となった本戦行きの切符。その乗客となるべき最有力のチームが、2大会連続出場を目指すブラジル代表だ。2013年の第3回WBCでは、1次ラウンドA組で日本、キューバ、中国と対戦し、結果的には3戦全敗となったブラジルチームだが、日本を相手に3対5、キューバにも2対5と接戦を演じるなど実力の高さを見せた。あれから3年。チームを率いるのは、前回同様に元レッズの名選手であり殿堂入りも果たしたバリー・ラーキン監督。前回の経験を糧に、前回以上の結果を目指している。

 チーム全員が集まったのは1週間前。元ヤクルトで、現在は山梨県のシンセリティー硬式野球クラブに所属するラファエル・フェルナンデス投手もメンバー入り。前回大会の日本戦に先発して3回2安打1失点だった右腕は、「前回大会はすごくいい経験になったけど、満足はしていない。ブラジルチームは、いつも通り、明るくてプラス思考。目標はただ一つ、本戦出場です」と闘志を燃やしている。
 その他、今回のメンバーには読売所属の金伏ウーゴ投手、東北楽天所属のルシアノ・フェルナンド外野手や、元ヤクルトで現在ヤマハ所属の佐藤二朗(ツギオ・レイナルド・サトウ)内野手などが選出。それ以外は、主にメジャーのマイナーリーグに所属する選手とブラジル国内チームに所属する選手で構成されている。基本的には公用語であるポルトガル語で会話するが、一部の選手は英語で話し、それでも通じない場合はゼスチャーを使って意思疎通。代表チームでありながら多国籍の要素を含むが、「ラテンのノリなのでコミュニケーションはまったく問題ない」とフェルナンデス投手は言う。そして、「実力的には前回大会の時よりも確実に強くなっているはず。特にスピード面。投打のバランスも非常に良くなったと思います」と自信をのぞかせている。

 対戦相手で最も警戒しているのは、マイナーの2A、3Aに所属する選手で構成されているイスラエル。イギリス、パキスタンに関しては情報が不足しているが、「ブラジル代表の特徴である攻める野球、アグレッシブな野球をすれば必ず勝てるはず」とフェルナンデス投手。「まずは本戦出場を決めること。日本の方はブラジルチームのことをあまり知らないと思いますけど、みんな明るくて、いいチームです。絶対にいい野球を見せられると思う」と日本ファンの応援サポートも願っている。
 2014年のサッカーワールドカップ、2016年のオリンピックと一大イベントが続いたブラジル。2017年、今度はWBC、野球でブラジル国内を盛り上げたい。そのためにはまず“残り1枚”を、必ず掴み取る。