意地とプライドをかけたライバル対決は地元開催の韓国が大会最終戦を飾る

2017年3月9日 試合レポート

 3月9日(水)「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)1次リーグプールA第4日。高尺スカイドーム(韓国・ソウル)でのプールA最終戦はWBSC男子野球世界ランキング3位の韓国と同4位のチャイニーズ・タイペイというカードになった。

 前日までの連敗により、両チームとも1次ラウンドでの敗退が決まっていたこの一戦。しかもこの試合に負ければ、次のWBCの大会参加は予算からの参戦という野球が盛んな両国にとって屈辱的な状況になる。1954年の第1回アジア野球選手権以来、長年競い合ってきたアジアのライバル同士だけに、試合は実に激しいものとなった。

 過去2試合から打線を大幅に入れ替えた韓国は1回表、1番に入った閔炳憲(ミン・ビョンホン/斗山ベアーズ)の二塁打と3番に入った朴錫珉(パク・ソクミン/NCダイノス)の右前安打で1点を先制すると、2回表には、一死満塁からこの試合は9番に入った徐建昌(ソ・ゴンチャン/ネクセン・ヒーローズ)が一塁線を破る二塁打で2人を還す。さらにこの回3点。2回表で早くも6-0とした。

 しかし、チャイニーズ・タイペイもすかさず反撃。2回裏、5番の林益全(リン・イーチェン/富邦ガーディアンズ)の二塁打をきっかけにまずは内野ゴロの間に1点。さらに内野安打と死球などによる二死満塁から1番の胡金龍(フー・ジンロォン/富邦ガーディアンズ)の右前安打で3-6とした。

 韓国は4回表、4番の李大浩(イ・デホ/ロッテ・ジャイアンツ)の二塁打などで2点を入れて突き放すも、その裏にチャイニーズ・タイペイはすかさず四国アイランドリーグplus・高知ファイティングドッグスでも打棒の一端を示していた9番の林哲?(リン・ジェシュエン/富邦ガーディアンズ)の2ランで追い上げ。6回裏には胡金龍の左前適時打と張志豪(チャン・ジーハオ/中信兄弟)の中前適時打で2点を入れ、7-8。

 そして7回裏には6番、高国輝(ガオ・グォフェ/富邦ガーディアンズ)のレフト線二塁打に続き、陳庸基(チェン・ヨンジー/統一ライオンズ)の中前適時打でついに同点に追いついた。

 9回は韓国が二死満塁をチャイニーズ・タイペイ7番手の陳鴻文(チェン・ホンウェン/中信兄弟)に、チャイニーズ・タイペイも一死一・二塁を元・阪神の呉昇桓(オ・スンファン/カージナルス)が抑えられて突入した延長戦。試合を決めたのは元・千葉ロッテ主砲のアーチであった。

 延長10回表。韓国は一死一、三塁から6番の梁義智(ヤン・ウィジ/斗山ベアーズ)の中犠飛で勝ち越すと、代打の金泰均(キム・テギュン/ハンファ・イーグルス)が左中間スタンドに2ラン。その裏は呉昇桓が3人で締めて11-8。地元開催の韓国は最終戦にして意地の大会初勝利。1勝2敗。1次リーグプールAの3位で大会を終えた。

 一方、チャイニーズ・タイペイは1次リーグプールAを3連敗で最下位。1次ラウンで韓国、中国に2連敗した2009年・第2回大会以来の勝利なしで帰国の途につくことになった。