WBC2次ラウンド プールEチーム紹介 ~イスラエル代表 全勝で2次ラウンド進出の快進撃~

2017年3月15日 コラム

 イスラエル。「2017WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)で最も驚きを与えたチームといって間違いないだろう。昨年のWBC予選4組ではイギリス、ブラジル、再びイギリスを破り国際大会初出場を決めると、1次ラウンドプールAでは韓国、チャイニーズ・タイペイ、オランダを撃破。全勝で2次ラウンドプールE進出。そして2次ラウンドではキューバをも破った。

 そんな快進撃の原動力はイスラエルに血縁を持つMLB経験者やMLB傘下選手たちだ。今大会好調の3番のアイク・デービス(ドジャース・マイナー契約)は2010年から4年間、ヤンキースで360安打67本塁打をマーク。ちなみに父は1989年にヤクルトでクローザーを務めたロン・デービスである。同じく今大会好調のラバンウエー(ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツ)もレッドソックスで97試合の出場経験がある。

 また、今大会2本塁打のフレイマン(ポートランド・シードッグス)も、2013・2014年にアスレチックスで計116試合出場。タイ・ケリー(ラスベガス・フィフティワンズ)は昨年メッツでMLBデビュー。39試合に出場し14安打・1本塁打を放っている。

 投手陣では抑えのゼイド(ラスベガス・フィフティワンズ)は2013・2014年にアストロズで48試合に登板。マーキーはMLB124勝。2年ぶりの実戦登板となった今大会ではキューバ戦で先発、5回3分の1を投げて1失点と流石の存在感を示した。さらに2次ラウンドで登録されたゴールドバーグはホワイトソックスのMLB開幕ロースター40人枠入りを果たした有望株だ。

 もちろん、2007年に国内リーグを創設。2013年WBC前回大会予選に初参加する手順を整えたイスラエル野球協会をはじめとする国内外野球関係者の尽力も、躍進に欠かせない要素となっている。

 そして、1992・1996年のオリンピックではアメリカ代表のコーチを務めるなど国際大会の経験も豊富。今大会2次ラウンドではいち早く予備登録投手プールを活用し2投手を入れ替えるなど、老獪さが垣間見える73歳・J.ウェインスタイン監督の采配もみものだ。

 侍ジャパンとの対戦はイスラエル選手全員が初経験。トップチーム同士、国際大会初対戦となる今日の試合。国際大会では実績で上回る日本を倒したあとには、予備登録投手も加えた形で準決勝に望める。イスラエル野球にとっての「新大陸」、ドジャー・スタジアムのグラウンドにいくモチベーションは高い。