第4回WBC予選 2戦連続の1点差負け… ブラジル代表の夢破れる

2016年9月26日 試合レポート

 2大会連続の本大会出場を目指したブラジル代表だったが、2回戦でイスラエルに0対1で敗れると、敗者復活2回戦でイギリス相手に3対4の逆転負け。2013年の前回WBCの本大会1次ラウンドで日本、キューバを相手に善戦したチーム同様、今回のチームにもNPB所属のルシアノ・フェルナンド(東北楽天)、金伏ウーゴ(読売)の他、元ヤクルトのラファエル・フェルナンデスなど、日本球界と関連の深い選手が多く招集されたが、悔しい形でのチーム解散となった。

 イギリス戦ではチームのエースであるアンドレ・リエンゾが先発。2013年にホワイトソックスでブラジル出身投手として初のメジャー昇格(10試合に先発して2勝3敗、防御率4.82)を果たした実績を持つ右腕が5回を3安打に抑えたが、死球やボークが響いて3失点。打線は、3回にルシアノ・フェルナンドのヒットからチャンスを作ってレオナルド・レジナットがライト前へ2点タイムリーで先制したが、逆転を許した後はチャンスであと1本が出ず。相手の6安打のちょうど2倍となる計12安打を放ったが、8回に1点を返したのみで涙を飲んだ。

 チームを率いたバリー・ラーキン監督は「試合は負けたが、いい試合だった。ヒットを多く打っても負ける。野球ではよくあること。悔しいけど仕方ない」と選手たちに声をかけたが、25日の本大会出場決定戦で先発予定だったフェルナンデス投手は、「ヒットを多く打って、チャンスも結構あったんですけど、最後の決めるべきところで決められなかった。次のイスラエル戦に向けて準備をしていたので悔しいです」と肩を落とした。

「イギリスの方がバッティングは良かったように思うけど、イスラエルは誰が登板してもレベルが落ちない投手陣の層の厚さ、レベルの高さがあった」と分析したフェルナンデス。「ブラジル代表は子供の時からずっと一緒にやっている選手が多くて、チームというよりも家族という雰囲気で、顔を見るだけでお互いの気持ちが分かるチームだった。もう一回、日本代表と勝負したかったんですけど…」と唇を噛んだ。
 今後へ向けて、「まずは日本に帰って新しいチームを探して、そこで自分のレベルをキープしながら成長もしたい」と話した30歳右腕。オーストラリアのウインターリーグへの参加とともに、NPB復帰へ向けてオフのNPB12球団合同トライアウトへの参加へも意欲を見せた。

「次回開催のWBC予選でリベンジしたい」。その言葉は、ブラジル代表の全選手に共通した想い。彼らの再チャレンジに期待したい。